卒業生からのメッセージ

「歯車で日本一」の実現を目指す
若き女性技術者

株式会社リョーセンエンジニアズ 楠本 珠央さん
工学部知能機械工学科2005年卒業

ボールペンの解体から1/100ミリの歯車で数トンの機械を動かす技術者に

機械や動くものに興味があり、2~3歳の頃からボールペンを解体しては組み立てている子供だった。「家電を修理するのは私の役目でしたね。」その興味は『モノづくり』へ、そして広島工業大学へとつながっていく。楠本さんの仕事は、製鉄機械の心臓にあたる駆動装置の設計。「お客様と綿密な打ち合わせをして、歯車の組み合わせがどう力を伝えるかをシミュレーションしながら設計、そして納品後のメンテナンスを行うまでが私の仕事です。大規模な機械なので、たいてい10名以上のチームで動きます。入社当時に設計していたものが、3年経った今製造工程に入っていたりと、1つの仕事が終わるまでには何年もかかります。何トンもある大きな機械ですが、それを動かしているのはミリ単位の歯車。集中力が求められるとても繊細な仕事です。何枚も図面を描かなくてはいけないので、1枚1枚がきれいに仕上がった時には達成感を感じますよ。」

男性とは違う視点で、女性の良さを生かせる仕事を

技術系の業界はまだまだ男性の比率が圧倒的に多く、職場も男性が多数。楠本さんはなぜ女性技術者としての道を選んだのか。「就職活動をする時、私にできることって何だろうって考えたんです。女性だから力仕事は難しい、だけど設計なら性別関係なく仕事ができるのではないかと思い、現在の仕事を探しました。同じ部署で女性正社員は私だけですが、大学も男性ばかりだったので気になりませんよ(笑)。職場でも、女性だからということでまわりに気を遣わせないよう、心がけています。」でも時には女性らしさを活かして、「電話はすすんで出るようにしていますね(笑)!」企業によって職場環境はさまざま。その環境の中で、自分にしかできない仕事を見極め、自分の力を発揮していくのも社会人として大切な能力です。

歯車の設計ならこの人しかいない!と言われたい。目標は「日本一!」

社会人3年目で、まだまだ設計者として勉強していきたいと話す楠本さん。「仕事は結婚や出産しても続けていきたいと思っています。当社の女性社員に対する制度は、産休・育休制度に加え、今年度から『仕事と育児の両立支援金』 『次世代育成支援金』 『キャリアリターン制』 が新設されるなど非常に充実しており、後輩のためにもこれらの制度を効果的に活用し、活動の輪を広げたいと思います。
技術職はかわりのきかない特殊な仕事。今の仕事はその中でも特に専門性の高い職種なので、強みだと思います。技術者としての目標は今の上司。歯車ならこの人、と言われていて、さまざまなことをみんなが相談しにくるんです。私も知識を吸収し、自分のものにして『歯車のことなら楠本に聞け!』と言われる人になりたい。歯車専門の技術者は業界的にも少数なので、日本一も夢じゃないかもしれません。」実現可能かもしれない“日本一”。「歯車の楠本」そう呼ばれる日も遠くはなさそう。

株式会社
リョーセンエンジニアズ
楠本 珠央さん
Tamao Kusumoto

幼少の頃から機械いじりが大好きだった。普通科高校に進学後、広島工業大学へ。在学中は先輩の勧めもあってグリークラブへ入部し、アカペラを体験。学生最後の1年間はゼミに集中し、朝から夜遅くまで研究に没頭する。研究に使う切削抵抗測定装置を自ら設計し、装置を作った。「設計の仕事がしたい」と今の会社に入社。現在は、昼休憩の時間を利用して独学でイタリア語を勉強中。機会があればイタリア語教室にも通ってみたい。
(2008年1月取材)